海賊版サイト遮断で弁護士がNTTコムを提訴

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海賊版サイトのブロッキングについて、弁護士がNTTコミュニケーションズを相手取り、ブロッキングの差し止めを求めて提訴をしたというニュースがありました。

本件については大学教授や弁護士が通信の秘密の侵害にあたるのではないかという懸念を示していたため、ブロッキングが始まったら誰かが本人訴訟するのではないかな、とか思っていたのですが、早かったですね。

ただ、本件は憲法訴訟ではなく、純粋な民事上の請求ということです。つまり、ユーザーは契約上インターネットを自由に使うことができるところ、それが妨げられた、ということらしいのですが、、、ん?それだと完全履行請求権の行使になるのかなとも思うのですが。どういう構成なのか、ぜひ訴訟が始まったら詳しい内容を見てみたいところです。

そもそもブロッキングって何するの?

それ以前に、そもそもインターネットって何なのというところから紐解かないとプロバイダとの契約関係が分からないので説明すると、インターネットというのは、グローバルIPアドレスを持った電子通信機器同士がTCP/IPプロトコルを使ってデータの送受信をすることをいいます。プロバイダの契約上の義務は、このグローバルIPアドレスの払い出しであるという理解になります(約款にはインターネット通信としか書いてませんが、平たくいうとそういうことでしょう)。

で、ブロッキングはどうやって実施しているのかというと、ここに分かりやすい説明があります。

ブロッキングを行う方式として、1)「DNSポイズニング」、2)「パケットフィルタリング」、3)「プロキシー」、4)複数の方式を組み合わせた「ハイブリッド」という4方式を挙げ、

児童ポルノのブロッキング、「DNSポイズニング」では不十分? 警察庁が不満 -INTERNET Watch Watch

DNSポイズニングだけでブロッキングをしても、IPアドレス直打ちしたり、DNS設定を変えたりすれば簡単に回避できてしまうので、特定の宛先のパケットをフィルタリングするという方法が効果的になってきます。

契約関係に落とし込んで考えると、プロバイダの負う履行義務にDNSサービスの提供も含まれるのであればDNSポイズニングは債務不履行となりえます。パケットフィルタリングについては特定の宛先への通信を遮断しているのですから、少なくとも通信内容をプロバイダが閲覧していることになるので、通信の秘密の侵害にはなりうる(それが例外的に許されるかという議論につながる)と思いますが、債務不履行と言えるのでしょうか?

いずれにせよ、この訴訟の肝は、通信の秘密云々という問題よりも、プロバイダの履行義務の内容がどういうものかという点ですから、その意味でも興味深いですね。